バラギアラを救いたい
1章-出現
2018年12月、ヤツは現れた。
初の多色ツインパクトであること、ボルバルザークエクスを彷彿とさせる豪快なマナアンタップ能力やバトルゾーンに居ながら自身の呪文面を使うことができる新能力「輪廻∞」に数多くのプレイヤーが注目した。
しかし、プレイヤーがこのカードに注目した理由はそれだけではない。
「このカード、ループするかも、、、」
こんな噂がたったからである。
「輪廻∞」によって、呪文を唱えればマナブーストが出来る。このギミックを使えば何か悪いことができるかも、、、
こんな一部のプレイヤーの期待を裏切ることはなかった。発売日翌日のことである。バラギアラとコンダマを用いたマナブースト&アンタップループし、そして、バラギアラと同じく新しく収録されたカードであるミノガミ固有能力「無敵虹帝」によって、これを無限回行い、ゲームをフィニッシュまで持っていく新デッキ「バラギアラループ」がとある殿堂CSで優勝した。
これを皮切りに日本各地でバラギアラループをトーナメントシーンに持ち込むプレイヤーが現れるようになった。
しかも、これは殿堂環境のみに限ったことではない。バラギアラループを構成する大半のカードは双極編に収録されたカードによって構成されいる。つまりは、デッキパワーをほとんど落とすことなく、2ブロック環境に持ち込むことができたのだ。
数多くのプレイヤーが、このデッキに魅了され、環境デッキの一つとしてトーナメントシーンにも定着した。
しかし、何か足りない。このデッキを回せば回すほどこう思うことが多くなってしまった。勿論カードパワーが高くて環境上位に位置づけられた強いデッキであることはわかっている。ただ、華がない。中速ループの宿命であるのだろうか。上振れがしにくいデッキであるのだ。他の環境デッキと比較するとどうも見劣りしてしまう。だからであろうか、ある時からCSにこのデッキを持ち込むプレイヤーの数は減っていった。
2章ー転機
2019年3月、バラギアラが収録されてから約3カ月後のことである。この時事件は起きた。
「超GRとオレガオーラ」発売
とうとう今年を代表する強力なギミック「GR召喚」が生まれてしまった、、、、
呪文を唱えたついでに、クリーチャーを召喚。
これを用いたあの凶悪デッキが生まれた瞬間でもある。
その名も「赤白轟轟轟」。この最恐デッキは「超GRとオレガオーラ」発売と同時に2ブロック環境の上位入賞を独占した。
2ブロック史上最恐デッキは、この勢いのまま4月にむかえたGP8thでも上位を独占すると思われていた。
しかし、デュエルマスターズもそんな簡単なゲームではなかった。クリーチャーの超展開による猛攻も堅実に受けきればいい。上振れはせずとも、相手の速度を落として自分の得意な展開に持ち運ぶことができる。そんなデッキが2ブロック上には存在していたのだ。そう一度は多くのプレイヤーに見放されたはずの「バラギアラループ」である。バラギアラループは赤白轟轟轟に有利がつくということもあり、GPという大舞台に持ち込んだプレイヤーが少なからずいたのであった。
結果、GP2位 バラギアラループ(実質優勝) という好成績を収めた。
これを機に再びバラギアラループは注目され、従来以上に受けを厚く取りながらループする「ネクラカラーバラギアラ」を中心に環境の上位に食い込んでいったのだ。
3-進化するGR
しかし、バラギアラループには更なる試練が待ち構えていたのであった。それは、GRギミックが登場した頃から恐れられていた事態「GRクリーチャーのインフレ」である。
このインフレは、またしもゲームを大きく変えた。5ターン目には、ミッツァイルによる過剰打点生成&Sトリガー封殺コンボが決まってしまう。そう、バラギアラループよりも早く今までこのループデッキが行っていたことをやってのける。
またしても、バラギアラループは窮地に追いやられてしまった。
4章―新たな力
ただ、バラギアラには希望が残されていた。
2019年10月19日「マキシマム・ザ・マスターパック」発売
そしてこのパックには、バラギアラを強化するようなカードが収録された。
表向きにしたツインパクトカードの呪文面を唱えた後、クリーチャー面を墓地に置く代わりにバトルゾーンに出す。どう考えても、バラギアラの強化カードではないか。
ん?
バトルゾーンに出す、、、、
召喚ではないので、バラギアラのマナアンタップ能力が発動しない!!!!
P.S.
既存のデッキにただ入れただけでは、不十分なカードに思える。サッヴァークの強化カードと比較してもその点が引っかかりすぎて、どうも微妙なカードという評価になってしまう。
以上バラギアラが好きなモブによる独り言でした。